ベアリングの選び方

現在入手可能なベアリングにはさまざまな種類があり、それらの違いに関する情報はほとんどありません。「用途に最適なベアリングはどれですか?」と自問したことがあるかもしれません。または「ベアリングの選び方は？」この記事は、これらの質問に答えるのに役立ちます。
まず、転動体を備えたほとんどのベアリングが 2 つの大きなグループに分類されることを知っておく必要があります。

ボールベアリング
ローラーベアリング
これらのグループの中には、性能を向上させるために独自の機能や最適化された設計を備えたベアリングのサブカテゴリがあります。
この記事では、適切なタイプのベアリングを選択するために、アプリケーションについて知っておく必要がある 4 つのことについて説明します。

ベアリング荷重と耐荷重を求める
ベアリング荷重は、一般に、コンポーネントが使用中にベアリングにかかる​​反力として定義されます。
アプリケーションに適したベアリングを選択するときは、まずベアリングの負荷容量を見つける必要があります。負荷容量は、ベアリングが処理できる負荷の量であり、ベアリングを選択する際の最も重要な要素の 1 つです。
ベアリング荷重は、アキシアル (スラスト)、ラジアル、または組み合わせのいずれかです。
アキシアル (またはスラスト) ベアリング荷重は、力がシャフトの軸に平行な場合です。
ラジアル ベアリング荷重は、力がシャフトに対して垂直になるときです。次に、複合ベアリング荷重は、平行および垂直の力がシャフトに対して角度の力を生成する場合です。

ボールベアリングが荷重を分散する方法
ボール ベアリングは球状のボールで設計されており、中程度の表面積に荷重を分散できます。それらは、単一の接触点を介して負荷を分散させ、小規模から中規模の負荷に対してより適切に機能する傾向があります。
以下は、ベアリング荷重の種類と、その仕事に最適なボール ベアリングのクイック リファレンスです。
ラジアル (シャフトに垂直) および軽負荷: ラジアル ボール ベアリング (深溝ボール ベアリングとも呼ばれます) を選択します。ラジアル ベアリングは、市場で最も一般的な種類のベアリングです。
アキシャル (スラスト) (シャフトに平行) 荷重: スラスト ボール ベアリングを選択
ラジアル荷重とアキシアル荷重の組み合わせ: アンギュラ コンタクト ベアリングを選択します。ボールは、複合荷重をより適切にサポートする角度でレースウェイに接触します。
ころ軸受と軸受荷重
ローラー ベアリングは、ボール ベアリングよりも広い表面積に荷重を分散できる円筒ローラーを使用して設計されています。これらは、負荷の高いアプリケーションでより効果的に機能する傾向があります。

以下は、ベアリング荷重の種類と、その作業に最適なローラー ベアリングのクイック リファレンスです。
ラジアル (シャフトに垂直) 荷重: 標準の円筒ころ軸受を選択
アキシャル (スラスト) (シャフトに平行) 負荷: 円筒スラスト ベアリングを選択
ラジアル荷重とアキシアル荷重の組み合わせ: テーパーローラーベアリングを選択してください
回転速度
アプリケーションの回転速度は、ベアリングを選択する際の次の要素です。
アプリケーションが高速回転で動作する場合、通常はボール ベアリングが推奨されます。高速での性能が向上し、ローラー ベアリングよりも高い速度範囲を提供します。
その理由の 1 つは、ボール ベアリングの転動体とレースウェイの間の接触が、ローラー ベアリングのような接触線ではなく、点であることです。転動体が表面を転がりながら軌道面に押し付けられるため、ボール ベアリングからの点荷重で発生する表面変形がはるかに少なくなります。

遠心力とベアリング
ボール ベアリングが高速用途に適しているもう 1 つの理由は、遠心力によるものです。遠心力は、中心の周りを移動する物体を外側に押す力として定義され、物体の慣性から発生します。
遠心力は、ベアリングのラジアルおよびアキシアル荷重に変わるため、ベアリング速度の主な制限要因です。ローラーベアリングはボールベアリングよりも質量が大きいため、ローラーベアリングは同じサイズのボールベアリングよりも高い遠心力を生み出します。

セラミックボール素材で遠心力を軽減
アプリケーションの速度がボール ベアリングの速度定格を超える場合があります。
これが発生した場合、簡単で一般的な解決策は、ボール ベアリングの材質をスチールからセラミックに変更することです。これにより、ベアリングのサイズは同じままですが、速度定格が約 25% 向上します。セラミック材料は鋼よりも軽いため、セラミックボールは、任意の速度に対してより少ない遠心力を生成します。

高速アプリケーションは、アンギュラ コンタクト ベアリングで最適に機能します
アンギュラ コンタクト ベアリングは、高速アプリケーションに最適なベアリングです。その理由の 1 つは、ボールが小さくなり、ボールが小さくなるほど重量が軽くなり、回転時に発生する遠心力が小さくなるためです。アンギュラ コンタクト ベアリングには、ベアリングに組み込まれたプリロードもあり、遠心力と連動してベアリング内のボールを適切に転がします。
高速アプリケーションを設計している場合は、通常 ABEC 7 精度クラス内の高精度ベアリングが必要になります。
低精度のベアリングは、高精度のベアリングよりも、製造時の寸法の「ゆらぎの余地」が大きくなります。したがって、ベアリングが高速で使用されている場合、ボールはベアリングの軌道上を急速に転がり、信頼性が低下し、ベアリングの故障につながる可能性があります。
高精度のベアリングは厳しい基準で製造されており、製造時の仕様からの偏差がほとんどありません。高精度ベアリングは、ボールとレースウェイの良好な相互作用を保証するため、高速で動作するアプリケーションに対して信頼性があります。

ベアリングの振れと剛性
ベアリングの振れとは、シャフトが回転するときにシャフトがその幾何学的中心から周回する量です。切削工具スピンドルなどの一部の用途では、回転部品にわずかな偏差しか発生しません。
このようなアプリケーションを設計している場合は、高精度のベアリングを選択してください。これは、ベアリングが製造された公差が厳しいため、システムの振れが小さくなるからです。
ベアリングの剛性は、シャフトが軸から外れる原因となる力に対する抵抗力であり、シャフトの振れを最小限に抑える上で重要な役割を果たします。ベアリングの剛性は、転動体とレースウェイとの相互作用から生じます。転動体を軌道面に押し込んで弾性変形させるほど、剛性が高くなります。

ベアリングの剛性は通常、次のように分類されます。
軸剛性
ラジアル剛性
ベアリングの剛性が高いほど、使用時にシャフトを動かすために必要な力が大きくなります。
これが精密アンギュラ玉軸受でどのように機能するかを見てみましょう。これらのベアリングには、通常、内側と外側のレースウェイの間に製造されたオフセットが付属しています。アンギュラ コンタクト ベアリングを取り付けると、オフセットが取り除かれ、外部から力を加えることなく、ボールが軌道に押し込まれます。これは予圧と呼ばれ、このプロセスにより、ベアリングが何らかの力を受ける前であっても、ベアリングの剛性が高まります。

ベアリングの潤滑
ベアリングの潤滑ニーズを知ることは、適切なベアリングを選択するために重要であり、アプリケーション設計の早い段階で考慮する必要があります。不適切な潤滑は、ベアリングの故障の最も一般的な原因の 1 つです。
潤滑は、転動体とベアリング軌道の間に油膜を作り、摩擦と過熱を防ぎます。
最も一般的なタイプの潤滑剤は、増粘剤を含むオイルで構成されるグリースです。増ちょう剤がオイルを所定の位置に保持するため、ベアリングからオイルが残ることはありません。ボール（ボールベアリング）またはローラー（ローラーベアリング）がグリースの上を転がると、増粘剤が分離し、転動体とベアリングレースウェイの間に油膜だけが残ります。転動体が通過した後、油と増ちょう剤が再び合流します。
高速アプリケーションでは、オイルと増ちょう剤が分離して再結合する速度を知ることが重要です。これは、アプリケーションまたはベアリング n*dm 値と呼ばれます。
グリースを選択する前に、アプリケーションの ndm 値を見つける必要があります。これを行うには、アプリケーションの RPM にベアリングのボールの中心の直径 (dm) を掛けます。ndm 値を、データシートにあるグリースの最大速度値と比較します。
n*dm 値がデータシートのグリース最大速度値よりも高い場合、グリースは十分な潤滑を提供できず、早期故障が発生します。
高速用途向けのもう 1 つの潤滑オプションは、オイルと圧縮空気を混合し、一定間隔でベアリングのレースウェイに噴射するオイル ミスト システムです。このオプションは、外部の混合および計量システムとろ過された圧縮空気が必要なため、グリース潤滑よりもコストがかかります。ただし、オイルミストシステムを使用すると、グリースを塗布したベアリングよりも発熱量を抑えながら、ベアリングを高速で動作させることができます。
低速アプリケーションでは、オイルバスが一般的です。オイルバスとは、ベアリングの一部がオイルに浸されている状態です。過酷な環境で動作するベアリングの場合、石油ベースの潤滑剤の代わりに乾式潤滑剤を使用できますが、時間の経過とともに潤滑剤の膜が壊れるため、ベアリングの寿命は通常短くなります。用途に合わせて潤滑剤を選択する際に考慮すべき要素が他にもいくつかあります。詳細な記事「ベアリングの潤滑について知っておくべきことすべて」を参照してください。

まとめ：ベアリングの選び方
アプリケーションに適したベアリングを選択する方法:

ベアリング荷重と耐荷重を求める
まず、アプリケーションがベアリングに加えるベアリング荷重のタイプと量を把握します。通常、小から中規模の負荷にはボール ベアリングが最適です。通常、高負荷のアプリケーションではローラー ベアリングを使用するのが最適です。

アプリケーションの回転速度を知る
アプリケーションの回転速度を決定します。通常、高速 (RPM) はボール ベアリングで最適に機能し、低速は通常ローラー ベアリングで最適に機能します。

ベアリングの振れと剛性の要因
また、アプリケーションで許容されるランアウトの種類も決定する必要があります。わずかなずれが許容されるアプリケーションの場合は、ボール ベアリングが最適な選択肢となる可能性が高くなります。

ベアリングのニーズに合った適切な潤滑剤を見つける
高速アプリケーションの場合、n*dm 値を計算します。それがグリースの最大速度よりも高い場合、グリースは十分な潤滑を提供できません。オイルミストのような他のオプションがあります。低速アプリケーションには、オイルバスが適しています。
質問？当社のオンサイト エンジニアは、お客様のアプリケーションに最適なベアリングを選択するお手伝いをさせていただきます。